扶桑社社員が薦める 扶桑社海外文庫読むなら、まずコレ!

扶桑社海外文庫を初めて読むあなたに、「まずコレ!」というタイトルを勝手に推薦。編集者から販売担当、宣伝マンまで、一冊の本に込められた扶桑社社員の想いがここに!

  • 翻訳小説が苦手な人にこそ読んでほしい、破滅へと突き進む3人の男の物語

 

 

 

 

個人的にはジャック・ケッチャム『隣の家の少女』が最も好きな作品なのですが、扶桑社ミステリーの入り口として自信を持ってお薦めできるのはやはり『シンプル・プラン』しかないと思います。

『シンプル・プラン』を初めて読んだのは、書店に勤めていたときに、扶桑社文庫の棚からやけにこの本が売れるな…と気づいたことがきっかけです。「このミステリーがすごい!’95年」で第一位を獲得していたことは後から知りました。

主人公のハンク・ミッチェルと、その兄と友人の3人組は、偶然、飛行機事故の現場に出くわし、そこで440万ドルもの大金を手に入れます。いきなり使うと怪しまれるので、3人はしばらくの期間、その金を保管し、いずれ自分たちで山分けするというシンプルな計画を立てます。しかし、私欲や謀略が、計画を思わぬ方向に発展させていく……というのが、この本のあらすじです。

ひょんな偶然から大金を手に入れるという展開は、コーマック・マッカーシー『血と暴力の国』にも似ています。ですが、全く異なった結末になるので、そのあたりを読み比べてみるのも、この本の楽しみ方の一つかと。

静かにじわじわと破滅へ突き進んでいく描写が見事で、読後の余韻も素晴らしいです。『シンプル・プラン』『隣の家の少女』も最高に後味の悪い小説として名高いですが、しばらくするとまた無性に読み返したくなる、まさに中毒本です。扶桑社ミステリーはそういう作品が多いような気がします。

著者のスコット・スミスは、デビュー作の『シンプル・プラン』がとんでもない傑作だったため、次はどんな作品を出してくるのか、非常に期待されていました。そして、10年もの年月をかけて、次回作の『ルインズ』を完成させます。しかし、メキシコを舞台に、人間を捕食するツル科の植物が襲ってくるという、前作とは180°違ったホラー小説だったため、そのギャップに戸惑ったミステリー・マニアも少なからずいたと聞きます。もちろん、私はどちらも大好きですが(笑)

翻訳小説は読みにくくて苦手という方にこそ、『シンプル・プラン』はおススメです。一気読み必至。徹夜を覚悟してください!

販売部 宮崎三樹

 

※連載第2回 「青銅の騎士 ゲラを読んでその場で号泣。心ふるえる圧巻の戦時大河ロマン」

※本当に話したかったケッチャムの事はこちら

※紹介情報、紹介者肩書等は公開時(2014年4月)のものです。

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