江戸・戦国のくずし字 古文書入門

著者名

菅野俊輔

判型

新書判

定価

1320円(本体1200円+税)

発売日

2019/09/03

ISBN

9784594079949

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ためし読みアリ

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ためし読み!

この本の内容

戦国武将や江戸の侍が認(したた)めた古文書や掛け軸が読めると、歴史がもっと楽しくなる!

博物館や美術館などで公開される、新たに発見された古文書や貴重な掛け軸・史料は、歴史好きにとってたまらない魅力のあるものです。
しかし、展示物に書かれたくずし字、古文書をすらすらと読める人はそう多くはないようです。

そもそも日本語なので、くずしのパターンを覚えて自分で読めるようになれば、歴史上の人物像への理解がより深まり、歴史探訪や美術鑑賞がもっとたのしくなるはず。
本書では早稲田大学エクステンションセンターや毎日文化センター、読売・日本テレビ文化センターなどで人気の古文書講師が、まず「てらこや」の教科書を例に、くずし方のきまりや基本形を解説。さらに、戦国から江戸時代にかけての有名な古文書史料・全16点を掲載し、手本としています。

書を眺めながら歴史読み物としても楽しめる、古文書解読の入門書です。

【掲載史料】
春画、黄表紙、錦絵、江戸の有名人の書──遠山金四郎の起請文、黄門様の手紙、大岡越前の日記、鬼平の評判……
戦国武将自筆の手紙──武田信玄・織田信長・明智光秀・真田信繁

<目次>
はじめに──仮名の「い・ろ・は」四十八字をおぼえる
「古文書」とは何か古文書で使われるひらがなと「くずし字」の成り立ち

第一章 古文書・くずし字へのみちびき


一 「てらこやの教科書」で学ぶ文章の基礎
「江戸仮名」の複数の字形に慣れることから始める
■史料1 済泉堂先生書『名所女江戸方角 全』東都書林 衆芳堂梓
『名所女江戸方角』に描かれた江戸の地名・地理

二 「長屋の賃貸契約書」にみる江戸庶民の暮らし
住み込み十年の徒弟奉公後に始まる単身生活
■史料2 「店請状の事」『手紙通用 書状独稽古 全』須原屋佐助蔵梓 江戸時代の賃貸契約「店請状」とは

三 「老舗商家」に受け継がれる文書
江戸時代の商家への就職活動
江戸の中心だった日本橋の繁華街
■史料3 小津玄久作『定』小津家文書
現代にも通じる、商人、勤め人としての戒めごと

第二章 江戸・戦国の有名人の書を読み解く
一 江戸時代のさまざまな出版物
ベストセラーの始まりは〝黄表紙〟
■史料4 蔦屋重三郎「まじめなる口上」
山東京伝作 黄表紙『箱入娘面屋人魚』
黄表紙『箱入娘面屋人魚』出版の背景
多色摺りの浮世絵「錦絵」誕生
■史料5 喜多川歌麿作・画「おちゃつぴい」『咲分ヶ言葉の花』より
江戸後期の浮世絵師
■史料6 花笠文京作 一勇斎国芳画『枕邊深閨梅』より
江戸で流行した中国小説のパロディ
江戸時代後期は〝報化社会〟だった
■史料7 錦絵「治る御代 ひやかし鯰」
安政の大地震からの復興と世直し

二 テレビ時代劇に登場する、江戸の有名人たちの文書
黄門様は隠居後ほとんど水戸にいた
五十三通もあった、鍋島元武宛ての光圀自筆書簡
■史料8 徳川光圀書簡集 巻7「鍋島紀伊守元武宛書簡」
将軍綱吉の治世にも鷹狩を楽しんだ光圀
"暴れん坊将軍"は町を出歩かなかった!
■史料9 老中松平信祝「五月三日付堀親蔵宛書簡」
将軍補佐役の老中から将軍家臣の大名に宛てた書簡
コラム【享保十七年の将軍吉宗の外出】
大岡越前自筆の日記
■史料10 大岡越前守忠相自筆
「大岡忠相日記 寛保三年二月(寄託大岡家文書)」
かなり多忙だった大岡越前の日常
コラム【寛保三(1743)年二月、大岡忠相の外出記録】

火付盗賊改「鬼平」が活躍した時代
■史料11 水野為長著「よしの冊子」『鶯宿日記』所収
「長谷川平蔵宣以の評判」
実は鬼平は人望がなかった!?
痔に悩まされていた遠山の金さん
■史料12 遠山金四郎「起請文前書」
神仏の名のもとに誓約する幕府の書式

三 戦国時代の古文書
戦国の龍虎、武田信玄と上杉謙信の時代
■史料13 武田信玄自筆「誓詞の意趣は」
内閣修史局編『史徴墨寶』(上・下)より
父と別れた、若き二人の武将の想い
戦国の〝革命児〟織田信長の天下布武
■史料14 織田信長書状「秀吉室おね宛仮名消息」
織田信長の見事な文章力と優しさがうかがえる文書
本能寺の変──明智光秀、十一日間の〝三日天下〟
■史料15 明智光秀自筆「土橋重治宛光秀書状」
明智光秀はなぜ主君・織田信長を討ったのか
九度山から真田丸へ
■史料16 「真田信繁書状」
小山田家文書慶長二十年正月二十四日付
"日本一の兵"の最後

あとがきにかえて

■江戸仮名一覧

著者プロフィール

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菅野俊輔
江戸文化研究家、歴史家。1948年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。早稲田大学エクステンションセンター、朝日カルチャーセンター、毎日文化センター、読売・日本テレビ文化センター、小津文化教室ほかで、古文書解読講座の講師を務めるほか、講演、著述、テレビ・ラジオ出演、時代考証など多方面で活躍中。著書に『江戸っ子が惚れた忠臣蔵』(小学館)、『書いておぼえる 江戸のくずし字 いろは入門』『書いておぼえる 「江戸名所図会」くずし字入門』(ともに柏書房)、『大江戸「古地図」大全』(宝島社)、『江戸の長者番付』『真相解明「本能寺の変」』(ともに青春出版社)、『江戸・戦国のくずし字古文書入門』(小社刊)などがある。

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