一気に読める「戦争」の昭和史
1937~1945

著者名

小川榮太郎

判型

新書判

定価

1100円(本体1000円+税)

発売日

2018/07/02

ISBN

9784594079956

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この本の内容

なぜ日本は大陸に進出したのか?
アメリカと戦争を始めたのはなぜか?
そして、どうして早期和平に踏み出さなかったのか?

本書の特徴
*昭和の戦争を大局的に捉え、一気によんでスッキリ理解できる。
*歴史の流れが頭に入りやすいよう、主な出来事、戦闘ごとに区切った記述をし、それが前の事件からどう繫がり、次の事件にどう結びついてゆくのかを明確化……因果関係が解りやすい。
*日本側の動きだけを記さない。外国との相関関係を見えやすくし、当事国それぞれの内在的論理を浮かび上がらせた。
*「外交」と「軍事」の双方で、努めて戦略的な観点から分析~ひとつひとつの行動を戦略目標の視点から見ると、歴史が意味を持って浮かび上がってくる。
*今の時点から歴史を評価せず、当時の指導者の判断を嘲笑するような書き方は避ける~歴史を考えるときには、当事者になる想像力が必要。
*特定の歴史観に縛られない。

私たちは、どうしても「日本」というと今の日本列島を思うが、当時の「日本」は、韓国を併合し、満州に広大な属国を持ち、中国大陸で連戦連勝中である。もしドイツが賢明に立ち回ってソ連と対立せずにイギリスを倒し、日本が東南アジアを支配したら(これは日米開戦直後に実現した)、援蔣ルートも止まり、中国まで日本に帰属するに至ったであろう。こうして空前のアジアの大帝国が出現する可能性はあったのである。それだけの規模の帝国を長期間維持する能力は日本にはなかったとは言え、当時の大日本帝国が破竹の勢いで拡大し続けていたのは事実である。ソ連だろうとアメリカだろうと、巨大化し続けるマグマのような侍の国を強烈に抑え込もうとするのは、寧ろ当然だったろう。しかもその頃の日本は、軍と外交の意思が分裂していた。何をしでかすか分からないという事だ。更に言えば、日本民族そのものが、言語も歴史も孤立し、国際コミュニケーション能力も乏しい。列強諸国から恐怖と猜疑と嫌悪で見られていたのは間違いない。これは誰が戦争を仕掛けたかとか、仕掛けた側が良いか悪いかという話以前の当時の「光景」なのである

主な内容
序 章 予兆──日本の命運を分けたもの
満洲事変/二・二六事件
第一章 勃発──「世界大戦」という荒波へ
盧溝橋事件(支那事変勃発)/通州事件/第二次上海事変/トラウトマン和平工作/南京陥落/近衛声明(泥沼化する支那事変)/国家総動員法/徐州攻略・武漢三鎮攻略戦/汪兆銘政権樹立工作/第二次世界大戦勃発/日独伊三国同盟/日米開戦は不可避か……
第二章 悪路──なぜアメリカと敵対したのか
日米和平交渉スタート/日ソ中立条約/日米了解案/独ソ開戦/南部仏印進駐/大西洋憲章/帝国国策遂行要領(日米開戦の決意)/東條英機内閣成立/ハル・ノート
第三章 日米開戦──日本の快進撃で幕が上がる
開戦の詔勅/真珠湾攻撃/南方作戦/マレー沖海戦/シンガポール陥落/蘭印作戦成功/マッカーサー敗走(フィリピンの戦い)/連戦連勝に沸く日本
第四章 苦戦──終わりなき前線での死闘
ミッドウェー海戦/ガダルカナル島の戦い/山本五十六戦死(海軍甲事件)/玉砕戦へ(アッツ島の戦い)/中部ソロモン・ニューギニアの戦い/絶対国防圏の設定/大東亜会議/マキン・タラワ・マーシャル・トラック玉砕/インパール作戦/サイパン・テニアン・グアムへの空襲/サイパン失陥/小磯國昭内閣成立/フィリピンでの最終決戦
第五章 終戦──何を守り、何を失ったのか……
神風特別攻撃隊結成/重臣たちの意見聴取/硫黄島の戦い/東京大空襲/沖縄戦/対ソ終戦工作・天皇の終戦意志/ポツダム宣言/原爆投下/最高戦争指導会議・御前会議/ポツダム宣言受諾・クーデター計画・御前会議/終戦の詔勅(玉音放送)

著者プロフィール

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小川榮太郎
文藝評論家。昭和42(1967)年東京生まれ。大阪大学文学部卒業、埼玉大学大学院修了。主な著書に『約束の日──安倍晋三試論』(幻冬舎)、『「永遠の0」と日本人』(幻冬舎新書)、『最後の勝機』(PHP研究所)、『保守の原点』(海竜社)(宮崎正弘氏との対談)など。専門は近代日本文学、19世紀ドイツ音楽。平成29(2017)年、フジサンケイグループ主催の第18回正論新風賞受賞。

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