改訂版
驚異の再生医療
~培養上清が世界を救う~

著者名

上田実

判型

新書判

定価

990円(本体900円+税)

発売日

2022/03/02

ISBN

9784594090784

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この本の内容

◆iPS細胞、幹細胞移植ではなく、
「幹細胞の培養液」こそが再生医療の大本命だった!

元来、傷や病気で損なった臓器を再生させる(回復させる)ためには、どんな細胞にでも分化できる幹細胞を培養して移植する「幹細胞移植」がメインに使われていた。そこに、山中教授のノーベル賞受賞により、万能細胞といわれるiPS細胞が登場し、私たちは再生医療は今にでも飛躍的に進むかのような期待を抱いた。
しかし、iPS細胞の応用は、心筋シートや網膜の病気などにごく一部治験がはじまったばかり。夢のような治療・移植にはまだほど遠い。
そんな中、皮膚再生からスタートし、名古屋大学で30年以上にわたって再生医療を研究していた著者は、「幹細胞を移植するのと、幹細胞の培養液を注入することの、効果は同じである」ということを発見した。この培養液を「培養上清」を呼ぶ。

協力病院での治験で、培養上清によってアルツハイマー型認知症、脳梗塞、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、花粉症など、難治の症状が著しく改善したことを確認。さらに、培養上清は液体化、粉末化が可能で、大量製造できる。幹細胞移植に比べ れば費用は100分の1で、「移植」も必要なく、点滴か塗り薬として塗布、鼻から吸入するだけでよい。この技術は、2019年からノルウェーのベルゲン大学と大規模な共同臨床研究を開始している。

また、「体内の傷ついた細胞を再生する」ことができるため、特効薬がなかった新型コロナウイルスによる間質性肺炎、その後遺症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)での治療にも効果をあげている。

※本書は2018年末に刊行した新書『驚異の再生医療~培養上清とは何か~』の改訂版です。前作からこの4年間での臨床結果などを加筆し、改訂版としました。

著者プロフィール

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上田実
医学博士。専門分野は再生医療・顎顔面外科。 1949年大阪府生まれ。1982年名古屋大学医学部大学院卒業後、名古屋大学医学部口腔外科学教室入局。同教室講師、助教授を歴任し、1990年よりスウェーデン・イエテボリ大学とスイス・チューリッヒ大学に留学。1994年名古屋大学医学部顎顔面外科 学講座教授就任。2003年から2008年、東京大学医科学研究所客員教授併任。2004年、日本学術会議会長賞受賞。2011年よりノルウェー・ベルゲン大学客員教授。2015年名古屋大学医学部名誉教授就任。2016年日本再生医療学会ジョンソン&ジョンソン 賞受賞。日本再生医療学会顧問、日本炎症再生医学会名誉会員として再生医療の研究と臨床の指導にあたる。幹細胞に関する研究論文は600本を超え、その臨床応用では皮膚・骨の再生医療を中心に300例以上にのぼる。国立研究開発法人日本医療研究 開発機構(AMED)評価委員。株式会社再生医学研究所代表

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