ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動(上)

著者名

判型

文庫判

定価

1320円(本体1200円+税)

発売日

2024/09/27

ISBN

9784594098438

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この本の内容

江崎道朗氏推薦!
近現代史の書き換えを迫る第一級の史料!

封印されてきた歴史の真実
第二次世界大戦時、アメリカはソ連の諜報活動に操られていた!

『ヴェノナ文書』とは、アメリカとイギリスの情報機関が、1940~1944年のソ連の暗号を解読したもので、1995年のアメリカの情報公開法によって一斉公開された。
本書はその内容を明らかにした『Venona: Decoding Soviet Espionage in America』の日本語訳である(監訳者:京都大学名誉教授 中西輝政)。

「日本の読者がこの本の中でとくに関心をもつのは、ソ連がアメリカの原爆開発計画『マンハッタン・プロジェクト』に多くのスパイを送り込んでいたため、アメリカの原爆開発の実態を非常によく知っていた、という部分だと思います。(中略)アメリカの原爆をコピーすることで、ソ連はすべてを自前で行うよりも三年から五年も早く原爆を製造し実験まですることができました。これが、アメリカの原爆開発についての秘密情報を手に入れることによってソ連が得た科学面での成果とすれば、その外交面と軍事面での成果は、原爆を落とされた日本が降伏する前に日本に対して素早く宣戦布告をする必要がある、とスターリンが認識し用意をするようになった、ということでしょう。」(「日本語版に寄せて」より)

(上巻目次)
『ヴェノナ』文庫化にあたって(麗澤大学客員教授・情報史学研究家 江崎道朗)
いま、なぜ『ヴェノナ』なのか(江崎道朗)
序 章 「ヴェノナ」への道
第1章 「ヴェノナ」と冷戦
第2章 暗号解読
第3章 アメリカ共産党の地下組織
第4章 ゴロス=ベントリー・ネットワーク
第5章 ルーズベルト政権中枢に喰い込んだソ連のスパイたち

(下巻目次)
第6章 ソ連軍情報部の対米スパイ活動
第7章 アメリカ政府機関別に見るソ連スパイの浸透
第8章 「同胞」たち
第9章 アメリカ大陸における反スターリン分子の追跡
第10章 産業スパイ・原爆スパイ
第11章 ソ連の諜報活動とアメリカの歴史(結論)
参考人名録
監訳者あとがき(京都大学名誉教授 中西輝政)

【著者プロフィール】
〈著者紹介〉
ジョン・アール・ヘインズ(John Earl Haynes)
元アメリカ議会図書館史料部研究員

ハーヴェイ・クレア(Harvey Klehr)
エモリー大学名誉教授

ともに歴史家で、アメリカ共産主義運動とソ連の対米スパイ活動を扱う共著を多数出版。 ソ連崩壊後に公開されたロシア語文書を利用し、『アメリカ共産主義の隠された世界』(1995年)を出版。多角的な史料を駆使してアメリカ共産党の歴史像を大きく塗りかえた研究が評価され、モイニハン上院議員の招きを受けて、議会で「ヴェノナ」文書公開の必要性を主張。この結果「ヴェノナ」は公開され、二人は本書を執筆(1999年)。その後も関連テーマの共著を続々と発表し、2009年にはアレクサンドル・ヴァシリエフの入手したソ連諜報機関資料を利用して『スパイたち』を出版、さらに謎だったスパイたちの真実を明らかにした。


〈監訳者紹介〉
中西輝政(なかにし てるまさ)
京都大学名誉教授
1947年、大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。英国ケンブリッジ大学歴史学部大学院修了。京都大学助手、三重大学助教授、スタンフォード大学客員研究員、静岡県立大学教授、京都大学大学院教授を歴任。専攻は国際政治学、国際関係史、文明史。2002年、正論大賞、2005年、文藝春秋読者賞受賞。著書に『大英帝国衰亡史』(毎日出版文化賞・山本七平賞、PHP文庫)、『日本人としてこれだけは知っておきたいこと』(PHP新書)、『日本人として知っておきたい世界史の教訓』(育鵬社)など多数がある。(序章、第十一章、監訳者あとがき担当)


〈訳者紹介〉
山添博史(やまぞえ ひろし)
防衛省防衛研究所地域研究部米欧ロシア研究室長
1975年、大阪府生まれ。2005年、ロンドン大学スラヴ東欧研究所修士課程修了、2008年、京都大学人間・環境学研究科博士、防衛研究所勤務開始、2012年、英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)客員研究員(兼任)。専門はロシア安全保障、国際関係史。著書に『世界のインテリジェンス(共著)』(PHP研究所)、『名著で学ぶインテリジェンス(共著)』(日経ビジネス人文庫)、『国際兵器市場とロシア』(東洋書店)、『宗主権の世界史(共著)』(名古屋大学出版会)など。情報史研究会会員。(第一章、二章、三章、九章担当)

佐々木太郎(ささき たろう)
1980年、広島県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。専門は、国際政治学、インテリジェンス研究。著書に『革命のインテリジェンス』(勁草書房)、『日中戦争再論(共著)』(錦正社)、『インテリジェンスの20世紀(共著)』(千倉書房)、『名著で学ぶインテリジェンス(共著)』(日経ビジネス人文庫)など。現在、京都文教大学などで非常勤講師を務める。(第四章、五章、六章、七章担当)

金自成(きむ じゃそん)
1973年、京都府生まれ。2004年、京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。専門は現代東アジア国際政治史。著書に『政策学的思考とは何か(共著)』(勁草書房)、『インテリジェンスの20世紀(共著)』(千倉書房)、『名著で学ぶインテリジェンス(共著)』(日経ビジネス人文庫)など。情報史研究会会員。(第八章、十章担当)

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