9月新刊の女性向けのもう一本は、書籍では初紹介となるキャリー・カラショフとジル・カーグマンの『わたしにふさわしい場所――ニューヨークセレブ事情』(上・下)でございます。

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■わたしにふさわしい場所―ニューヨークセレブ事情(上・下)
■キャリー・カラショフ&ジル・カーグマン 著
■中尾眞樹 訳
■文庫判
■定価各740円(税込)
■2007年9月30日
■ISBN978-4-594-05484-7
 ISBN978-4-594-05485-4
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実は、本書はかつて『25ans』で抄訳のかたちで連載された「セレブの縄張り」を完訳のかたちで文庫化したものです。「あっ、記憶にある」と思われた貴女、ぜひ書店においそぎください。あらすじはこんな感じです。

メラニー・コーン、35歳、元フライトアテンダント。
一代で財を成したアーサーと恋に落ち、電撃結婚して一年。ニューヨークの社交界にデビューしたはいいものの、口さがないセレブたちからは、「センスがない」「成りあがり」と陰口を叩かれつづける毎日。
どうして、こんなにいじめられなきゃいけないの? あたし負けないわ。
理想のセレブめざして孤軍奮闘するメラニー。パーティにチャリティにと積極的に参加していくが、結果はいつも空回りばかり。それでも彼女は、明るく、がむしゃらに輝ける日を信じて努力する。
そんな折りに舞い込んだ、新聞記者からの取材の申し込み。やっと、わたしもセレブの仲間入りだわ。舞い上がるメラニーだったが……。
セレブ御用達のブランドやレストランを全編に散りばめながら、クセの強い社交界の面々の、退屈だけど刺激的な日常をユーモアたっぷりに描き出す、極上のファッショナブル・コメディ、完訳版で登場!

とにかく、愉快痛快、抱腹絶倒。
担当して、こんなに笑えた小説は久しぶりでした。
ニューヨークの社交界に巣くうセレブの面々を描き出す洒落と皮肉のきいた筆致は、まさに絶品。ヒロインの愛すべきキャラクターもさることながら、脇役陣の愉快さがまたものすごいことになっています。
とくに、本作の裏ヒロインともいうべき、おばさんセレブ二人組のジョーンとウェンディがいい味だしまくり。そねみ、ねたみ、たくらみ、毒舌を吐きつづけるピカレスクっぷりにはほんとうに頭が下がります。その他、稀代の悪情婦を囲ったせいでどんどん窮地に追い込まれてゆく会社社長のモーガン、メラニーを愛しながらも同じアパートの若セレブにおねつ(死語)をあげる夫のアーサー、メラニーにファッション道を伝授するウルトラスーパー執事のガフィーなど、きら星のごとくクセモノキャラが登場し、飽きさせることがありません。

まずは、華やかなセレブワールドに関心のある貴女。絶対読んで損はさせません。
あふれかえるブランド品と、ニューヨーカー御用達の名店の数々への言及は、ファッション小説としての魅力に色を添えています。メラニーとともに、ヒルトン姉妹やドナテッロと同じ空間を闊歩する悦楽を、ぜひご堪能ください。
同時に、こんなこといっちゃなんですが、たぶんみなさん、若い女性しか読まないと思ってスルーしがちなタイトルだと思うんですよ。
でもね、嘘は申しません。マジで面白いから。オジサンもオバサンも、こぞって読んでほしい1冊(ああ、2冊か)。
謎のチャリティパーティとフェイスリフトに血道をあげるNYセレブの非日常な日常。そんななか、背伸びすることが美徳と思い定めた面々がおりなす、おかしくも哀しいハイテンション・コメディ。それが本作なのです。
ぜひ騙されたと思って手にとってくださいね!

2007年10月 6日 17:22

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