「編集部・T」です。
 わたくしごとで申し訳ないのですが、今回、住みなれた編集部を離れることになりました。


 この文庫にたずさわって14年あまり。
 単行本も含め、二百数十点は作った計算になります。
 そんなふうに本を作ってこられたのも、翻訳者・デザイナーさんをはじめとする関係者のかたがたと、そしてなによりもご愛読いただいた読者のみなさまのおかげです。

 などと言うと月並みに聞こえてしまうかもしれませんが、それでも、この不況下でも本を買ってくださるかたがいらっしゃるからこそ、わたしたちの仕事は成り立っているのだと、心の底からほんとうに思っています。

 なにしろ、どこの書店でどの本が何冊売れたということまでわかる時代です。

 わたしたちは、じっさいに楽しみにしながら本を買ってくださるかたがたの存在を実感しているのです。

 そんな読者のみなさまの期待に、すこしでも答えられていたならよいのですが。


 いま、翻訳ミステリーはひじょうにきびしい状況にあります。

 扶桑社海外文庫で言えば、ロマンス・レーベルは、ありがたいことにそれなりに調子がよいのですが、ミステリーに対しては風当たりが強く、社内調整でも苦戦がつづいています。

 お気づきのように、昨年後半あたりから刊行点数が減り、シリーズものぐらいしか出版できませんでした。


 しかし、じつはすでに以下のような作家の準備ができているのです。

  リザ・スコットライン
  スティーヴ・マルティニ
  デイル・ブラウン
  リチャード・マシスン

 そこにくわえて、次のような作家が入ってきます。

  クライブ・カッスラー
  ロビン・クック
  ジョー・ゴアズ
  ローレンス・ブロック

 こういった一線級の作家をご提供することで、翻訳ミステリーの楽しみがさらに広がり、深まればと考えています。

 いっぽうで、『アトランティスを探せ』が3刷となり、『隣の家の少女』が累計10万部を超えるなどの朗報もあります。

 読者のみなさまとともに、翻訳ミステリー全体を盛りあげていければと願っています。


 今後とも、扶桑社海外文庫をよろしくお引き立てください。(編集部・T)

2010年4月 8日 15:21

コメント(5)

Comment

  • 海外ミステリにはまったのは、このブログと扶桑社ミステリー文庫がきっかけでした。ケッチャムやトンプスンなど・・。

    数多くの出会いをいただきました。
    ありがとうございます!



    |saegusa|2010年4月 9日 18:50

  • Tさん、残念ですね。新しい職場でもいいお仕事してください。
    『隣の家の少女』すごいですね、仕事場の前の書店でも平積みになってますからね。
    Amazonでもそこそこ売れてるようですし、映画化は大きいんですねぇ。
    今がチャンスです、ケッチャムの新訳出しましょう(笑)。
    では、またの機会に…。



    |K|2010年4月11日 00:33

  • やはり厳しい状況なのですね。
    20年近く前から扶桑社ミステリーのファンでした。
    扶桑社ミステリーなら何を読んでもハズレがない、と信頼していました。
    人気作家が他の出版社にとられた辺りから心配しておりましたが…。
    Tさん、お疲れ様でした。そして数多くの作品を楽しませて下さってありがとうございました。



    |Ruby|2010年4月14日 09:47

  • Tさん、お疲れさまです。
    「アトランティスを探せ」の翻訳が完成するまでの4年間、辛抱強くかつ、暖かい目で見守って下さったあなた
    がいなかったら、この作品は、日の目を見なかったかも
    。有難うございます。



    |sin|2010年5月 1日 02:43

  • ロビンクックの大ファンです。

    ほぼすべてのクックの作品が絶版になっている今、何度も繰り返し、過去の作品を読んでおります。

    こちらからクックの作品が出されるということを、今日初めて知り、ワクワクしすぎて大変です。

    刊行予定が分かり次第、告知してくださいね!!

    この記事を書かれたTさんは編集部を離れられたとのことですが…。

    もっと早くこのブログの存在を知りたかったです。



    |tomo|2010年6月18日 22:39

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