ご存じ amazon.com の電子ブック用リーダー、キンドルのベストセラー・リストが物議をかもしています。

 このところ、キンドルのベストセラー1位をキープしていたのは、ジョナサン・フランゼンの話題の新作 Freedom だったのですが、先週来、首位から陥落。
 それ以来トップを独占しているのは、エレクトロニック・アーツ社の Scrabble だというのですね。
 そう、「スクラブル」とは、クロスワード・パズルのように単語を作りあうゲーム。
 つまり、ゲーム・ソフトが本を追い落として、ベストセラーの1位となっているわけです。

 ところが、これに対して出版社・著者・エージェントがこぞって猛反発。amazonに批判が集まっています。
 この程度でなぜ? と思われるかもしれませんが、CBSインタラクティブ・ビジネス・ネットワークのブラウン氏によると、大きく3つの理由があるそうです。


(1)カスタマー・サービス上、本とアプリケーション・ソフトは扱いをわけるべき
 それはそうですよね。
 たとえばアップルは、iTuneとiBookとアプリケーションについて、ベストセラーをわけて発表しているそうです。


(2)著者にとって不利益になる
 これは意外かもしれません。
 海外では、著者の新作についてエージェントが出版社と交渉する際、前作がベストセラー・リストに載ったかどうかも大きな材料になります。
 つまり、「それだけ人気が高い作家なのだから、今度の作品も高く買ってくれ」というふうに、交渉を有利に進められるわけです。
 いまのところ、キンドルのベストセラー・リストはそれほど重視されていないそうですが、電子ブックのこれからの市場を考えれば、今後は注目度が高まるはず。
 それなのに、ゲーム・ソフトを入れてしまうと、そのおかげで本来ならベストセラー・リスト入りするはずの本が落ちてしまうことになります。
 これが、著者にとって不利益になる、という理由です。


(3)まったく基準のちがうものを同一に扱っている
 本とゲーム・ソフトでは、売れる数がまったくちがいます。
 たとえば、電子ブックで5万部売れればヒット商品といえますが(これはアメリカの話。日本で5万ダウンロードあれば、超大ヒットでしょう)、iTune用のゲーム・ソフトでは、1日に5万売れるソフトもあるとのこと。
 これでは、しばらくのあいだ「スクラブル」から首位を奪える電子ブックはないだろう、というのです(記事では、「トワイライト」や「ハリー・ポッター」の新作でも出れば別だが、と皮肉まじりに言っています)。


 さて、アプリケーション・ソフトが外されて、電子ブックのみのリストになることはあるのでしょうか。

2010年9月29日 10:28

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