昨年のアメリカ書店業界では、Bordersという大チェーンが倒れるというたいへんな出来事がありました。
 おかげで、カンザスシティ周辺でも、5店舗が消える事態になったのですが、さらにもう1件、独立系のミステリー専門書店〈I Love A Mystery〉が閉店すると発表されました。
 この店のオーナーが2009年に亡くなり、そのあとを継いだベッチ・ウェストがコロラド州の書店のバイヤーとなったため、昨年の夏、ついに店を閉める決断をしたのです。

 しかし、9月になっても建物の売却先が決まらなかったことから、それならとウェストは店の存続を決定。
 もちろん、閉店セールで売り上げが伸びたことも一因だったようです。
 この書店、2万点の古書と3000点の新刊をそろえていたのですが、すでに古書の4分の1、新刊の半分をセールで売ってしまっていました。
 そこで店のマネジャーたちは、年末のホリデー・シーズンにむけて、あらためて在庫を立てなおさなければなりませんでした。

 これだけでもカンザスのミステリー・ファンは喜んだことでしょうが、さらにオマケが。
 閉店が決定して解雇された〈I Love A Mystery〉の店員が、この地域の読者を捨ておけないと、みずからミステリー専門店を立ちあげようと準備をはじめていたのです。
 5マイルと離れていない商業地区に店舗を借り、今月中にリノベーションが終われば開店する予定だといいます。
〈Mysteryscape〉という店名で、すでに〈I Love A Mystery〉で開催されていたコージー・ミステリーの読書会2組のうちひとつが、こちらに移ることになっているとか。
 もっとも、〈Mysteryscape〉は新刊6:古書4の割合の品ぞろえで、SF、ホラー、パラノーマルといったジャンルでもミステリー要素があれば仕入れるとのこと。
 客層が若いので、両店が食いあうことはないだろうと見られているそうです。

 いずれにしても、ちょっとうらやましい話です。
 彼の地の書店は、地域文化に根ざしているようですね。

2012年1月 5日 15:28

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