11月頭に発売されました、トム・クランシー&スティーヴ・ピチェニック『復讐の大地』(上・下 伏見威蕃訳)。

新たにスタートした「トム・クランシーのオプ・センター」シリーズの第3弾となります。
3年連続で、同じ時期にご紹介することとなりました。

今回の舞台は中東。敵はISIL(イスラム国)!
ド直球のミリタリー・アクションの登場です。

復讐の大地 ブログ.jpg

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あらすじはこんな感じです。

対ISIL世界連合の大統領特使ボブ・アンダーウッド将軍の一行が、シリアのアルブカマル市に向かう途中、ロケットランチャーによる攻撃を受け、車両縦隊は全滅、将軍は誘拐された。

数時間後、アメリカ大統領ミドキフと高官たちは、ISILのリーダー、マバード=アッ・ドーサリーによって将軍が斬首されるさまをライブテレビで見ることに。

米国はすぐさま報復として空母打撃群を派遣、敵の本拠に攻撃を仕掛けて壊滅させるが、生き延びたアッ・ドーサリーはさらなる復讐を誓うのだった......。

ISIL本拠攻撃の3カ月後、その報復は思わぬ形で実行に移された。

攻撃時に作戦の指揮官をつとめていた海軍省議会担当部長ジェイ・ブルーナ提督が、米国内で誘拐されたのだ。

FBIの追跡を振り切って姿を消した誘拐犯に対して、チェイス・ウィリアムズ率いるオプ・センターの面々は、持ち前の情報収集力を武器に奪還作戦を展開。

だが、提督の長男でSEALに所属するデイルのとった思わぬ行動をきっかけに、事態は混迷の度合いを深めてゆく......。


ISIL(イラクとレヴァントのイスラム国)が敵として登場するミリタリー・アクションは、意外とあるようで少ないかもしれません。

9.11同時多発テロ以降、アメリカ合衆国にとって、アルカイダおよびISILとの闘いはまさに、そのただ中にあるリアル中のリアルです。

娯楽として扱うには、まだちょっと距離が近すぎるのかもしれませんし、ナチスやロシアのようには扱いづらい、人種や思想にかかわる部分の問題もあるのでしょう。

本作では、ど真ん中から、ストレートに、この喫緊の問題であるテロとの闘いに焦点を当てて、アメリカ高官の拉致・処刑とそれに対する報復、さらなるISILサイドからの報復としての高官誘拐と、オプ・センターによる追跡劇という攻防が、克明かつリアルに描き出されます。

まさに王道の軍事アクション、シミュレーション小説として、読み応え十分といえるでしょう。


前作『北朝鮮急襲』(上・下)では、若干「埋めぐさ」のような形で終盤の大学生によるテロ計画がつけ加えられていた感じも否めませんでしたが、今回は間断なく、意外なワンマン・アーミーを登場させることでうまく話を転がして、決戦の地、イラクへと読者を誘います。

新章に入って初めて、レギュラーメンバーに犠牲が出る、たいへん緊迫したスリリングな内容となっています。ぜひお楽しみいただければ幸いです。


なお、本書ではISIL、ISISと二種類の呼称が登場しますが、基本的にはイスラム国サイドから描かれている章では、本人たちが自称している「ISIS」(イスラムとシリアのイスラム国)、アメリカサイドから描かれている章では、「ISIL」の呼称が用いられています。ただし、めまぐるしく視点の入れ替わるあたりでは、便宜的に統一して用いている場合もあります。ご理解いただければ幸いです。

(編集Y)








2020年11月23日 19:32

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