2020年12月アーカイブ

11月末搬入、12月初旬刊行の新刊は、
クライブ・カッスラー&ロビン・バーセルによる、
ファーゴ夫妻シリーズの第10弾『幻の名車グレイゴーストを奪還せよ!』(上・下 棚橋志行訳)。

今回は、クラシック・カー・マニアとして名高いカッスラーの趣味が全開の作品となっております!


グレイゴースト ブログ用.jpg


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 あらすじはこんな感じです。

1906年。創設間もないロールス・ロイス社の名声を確立した名車シルヴァーゴーストには、幻の試作車「グレイゴースト」があった。
この試作車が英国マンチェスターの路上からこつ然と姿を消す。
調査に乗り出したのは探偵アイザック・ベルだった!
 
くだって現在。ファーゴ夫妻のもとに、サムの母方の遠縁を名乗るペイトン子爵家から、保有するグレイゴーストを担保とした融資の打診が舞い込む。
二人はロンドンのモーターショーに現物確認のため出向くが、そこで再び名車グレイゴーストが、子爵アルバート・ペイトンともども姿を消してしまう。やがて子爵は無事発見されるが、会場で警備員を殺害した容疑で逮捕されて・・・ぺイトン家に次々とふりかかる災厄の背後には、子爵家に憎しみを抱くある男の策謀があった。
事件を探るファーゴ夫妻にも、悪漢たちの魔の手が迫る。
すべての謎を解く鍵は、1906年に起きた名車盗難事件の顛末を記した「日記」に・・・・。


今回の売りは、なんといっても、カッスラーの生んだシリーズ主人公である、アイザック・ベルとファーゴ夫妻が時を超えて夢の競演を果たす、ということでしょう。

もちろん、かたや20世紀初頭の探偵、かたや現代の大富豪カップルということで、ふつうにやって競演できるわけもないのですが、そこに登場するのが、1906年製作の「グレイゴースト」という架空のロールス・ロイス試作車。おお、「灰」の〈テストカー〉ですね!(ネタが古い)
この車をめぐって過去に起きた盗難事件と、現在ふたたび引き起こされた消失事件を、「日記」を媒介にオーバーラップさせ、過去と現在の記述を交錯させつつ進行するというのが、今回の主眼です。

アイザック・ベル・シリーズは、大変申し訳ないことに(おもに売れ行き上の問題があって)『大追跡』『大破壊』『大諜報』の三作で紹介が止まってしまっておりますが、本国では他のシリーズ同様、大変人気があって、10作を超えてなお書き継がれています。
サーヴィス精神旺盛なカッスラーは、オレゴン・ファイル・シリーズにダーク・ピットや〈NUMAファイル〉のカート・オースティンを登場させるなど、これまでもシリーズ・キャラクターを時折交流させることで読者を喜ばせてきました。ダーク・ピット・シリーズでは、「カッスラーみたいな人物を出す」というカメオネタも毎回やってましたし。

本作では、上巻29頁に、
「あれ、クライブ・カッスラーの車じゃない? 彼が二〇一〇年に修復をすませた車じゃないかしら?」
というセリフがでてきます。
この「1948年型ドライエ135カブリオレ」は、おそらく実際にカッスラーが所有している車。彼は、ヴィンテージ・カーコレクターとしても大変著名な人物なのです(1954年にジャガーXK120を購入したのが最初だとか)。ちなみに、アメリカ版ハードカバーの裏表紙には、オープンカーのクラシック・カーに乗ったカッスラーの意気揚々たる姿が毎回掲載されています。

さらに、本作にはもう一台の伝説のクラシック・カー「アーレンス・フォックス」が登場します。
(ご存じない方は、ちょっと変わった車種ですのでお楽しみに)
ちなみに、上巻のイラストが「アーレンス・フォックス」、下巻のイラストが「グレイゴースト」となっていますので、頭のなかで走らせながら読んでいただけると幸いです。

なお、次のカッスラーは2021年3月末の刊行を予定しています。
一年ぶりの〈NUMAファイル〉シリーズ、『Zero Hour』。お楽しみに! (編集Y)



2020年12月10日 00:53 | | コメント(0)

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