日本史の裏側

著者名

河合敦

判型

新書判

定価

1045円(本体950円+税)

発売日

2023/04/26

ISBN

9784594094553

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この本の内容

近年は日本史ブームで、書店は関連本であふれているが、歴史には、教科書にのっているような「表の日本史」には書かれていない事実が相当ある。
 たとえば、鹿児島県は他県に比べて寺院がとても少ないが、それは廃仏毀釈のせいであること、また江戸時代初期に水戸藩で水戸黄門が廃仏毀釈をおこなっていたことはご存じだろうか。
 また、研究の進展によって歴史人物の評価が変わってしまうことも少なくない。
 たとえば、例えば聖徳太子だ。かつては、推古天皇の皇太子で摂政の地位について天皇による中央集権を進めた、日本史における英雄として習った。ところが、聖徳太子は厩戸皇子をモデルに時の権力者が作り上げた創作だという説が有力になり、いまの日本史教科書は、聖徳太子を厩戸皇子と表記し、皇太子でも摂政でもなく、単に推古天皇の甥とし、蘇我馬子と並ぶ天皇の協力者と扱っている。脇役に転落してしまったのだ。
 しかし近年、『日本書紀』とは別系統の古記録などの分析から、やはり聖徳太子は政治的に大きな力を持ち、冠位十二階や憲法十七条を中心になって制定し、遣隋使などの外交も担っていたとする研究が次々に発表されている。つまり最新研究で再び太子の評価が逆転しつつあるのだ。
 最近の科学技術の発達も、歴史を解明する上で必須の存在になりつつある。
 人魚のミイラが科学的に解明されたり、縄文人の歯石を分析することで縄文人が米を炊飯していたことがわかるなど、研究を大いに発展させている。
 本書では、知っているようで知らない歴史に関する用語や人物を取り上げた。日本史の教科書では語られることのない歴史の裏側、新説や奇談、知られざる偉人を多数盛り込んでいる。通説に飽きた方はぜひとも本書を手にとっていただきたい。

◆もくじ
第一章 あの歴史人物の驚くべき真実
第二章 江戸偉大に、現代に勝る技術を生み出した天才たち
第三章 ある意味幸せな人生か……? 世にも奇妙な生き様
第四章 科学調査が歴史を塗り替える。イメージが変わる市井生活
第五章 現代人が学びたい、江戸から明治の偉人の志

著者プロフィール

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河合敦
歴史研究家、歴史作家、多摩大学客員教授、早稲田大学非常勤講師。 1965 年、東京都生まれ。青山学院大学文学部史学科卒業。早稲田大学大学 院博士課程単位取得満期退学。 歴史書籍の執筆、監修のほか、講演やテレビ出演も精力的にこなす。『教科書 に載せたい日本史、載らない日本史』『日本史の裏側』(ともに扶桑社新書)、『江 戸500 藩全解剖 関ヶ原の戦いから徳川幕府、そして廃藩置県まで』(朝日新書)、 『徳川家康と9つの危機』(PHP 新書)など著書多数。初の小説『窮鼠の一矢』 (新泉社)を2017 年に上梓。

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